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商品名

ラセッテーナチュラル

 

 

ネーミングの由来

“ナチュラル”は読んで字の如く、自然なままを意味する「革の素上げ」状態を表します。豚革(ピッグスキン)の特徴である通気性や吸湿放湿性、また最も人の肌に近い組成とされるコラーゲンたんぱく質の繊維層そのままの風合いを生かした素材であることから名付けました。

 

特 徴

「通気性」

ナチュラルは、表皮を貫通する太くて硬い豚毛を脱毛した後の毛穴により、素材の表裏で空気が抜ける特徴があります。そのため通気性を求める商品に最適です。

「吸湿・放湿性」

表面に過度の仕上げ塗装を施していないため(実用性を考えて調色程度は一部色目に対して水溶性染料で施してあります)水分を吸収し放出する自然のチカラがあります。

「なめらかな肌触り」

人の肌に最も近い(火傷をした時に豚皮を移植することもあります)コラーゲンたんぱく質の繊維層のため、馴染みやすい触感を持っています。

「強い繊維層」

豚革全般に言える特徴ですが、たった1mm前後の厚さでも、生きているときに肉や筋肉など生体を保護してきた皮の繊維は強靭です。正味にあたる尻から背筋、首にかけては縦方向の固い繊維層です。その背筋を中心に放射状に腹部(素材外周部)にかけて横方向の柔らかな繊維層になります。

「軽い本革」

本革は一般的に重いという常識がありますが、ラセッテーなめしを施した革、特に余分な仕上げを施さないラセッテーナチュラルは、クロムなめし革に比べて10%近くも比重が軽いことが分かっています(当社社内比)。革本来の風合いを生かすために、過度に余分な植物タンニンを加え過ぎない職人技で、昔から伝わるズッシリとしたヌメ革のイメージを払拭する、様々な用途で使用可能な素材になっています。

「臭くない」

革は臭うもの、という常識を覆すのもラセッテーの特徴です。特にヌメ革と呼ばれる植物タンニン鞣しを旧来の製法や適切な処理が行われないなめし製法で行った場合、革自体が臭ってしまうことが見受けられます。ラセッテーなめし革は、清掃の行き届いた(古いですが)なめし工場で、なめしや染色工程、更に仕上げ作業まで熟練の職人により一貫した自社工場生産を行ない、厳しい製法管理体制のもと生産していますので、出来上がった革は誰にも愛される“革らしい革”に仕上がります。

 

開発者の想い

ラセッテーシリーズの第1作目となるラセッテーナチュラルは、1990年当時の開発開始以来、たくさんの皆さんのご協力と期待を頂き誕生しました。

・従来の植物タンニンとは異なる、次世代素材を生み出すこと

・人と自然と環境にやさしく、皮革循環型社会の実現に貢献すること

・クロムを全く使わずに、柔らかく発色性も良くそして高物性で実用的な素材とすること

 

国内では誰も無し得なかった植物タンニンを使用した新なめし技術の開発は、その後東京都産業技術奨励賞をはじめとして国内外の環境基準に準拠し、六価クロム等の有害物質を排出しない素材として皮革製品となった後も安心して流通ができると様々な国内外ブランドに使用いただいています。

技術的にも品質実績としましても、安定した生産体制が形成できました。海外展開を考えるブランドや企業が、各国で採用する環境基準(REACH:リーチ、RoHS:ローズ・ロハス、エコテックスなど)に準拠した商品提案が必要となる今日において、ラセッテーレザーをお選び頂くことで貴ブランドの信頼にお役立ていただければ幸いと存じます。

赤ちゃんからお年寄りまで安全に安心して使用できる皮革製品として、またファッション素材の新たなスタンダードアイテムとして広く活用ください。

 

主な使用実績

肌への優しさ、人の肌に最も近い特性を活かした商品として、時計バンドや室内履き、靴ライニングなど直接肌に接する箇所での機能性素材としての使用例があります。さらに、高級ブランドでも使用され(以下敬称略)ヴィヴィアンウエストウッド、ゲンテン、ポーター、ツモリチサトなど国内外のファッションシーンを牽引する多数のブランド各社に靴やバッグ・財布・小銭入れなどで使用いただいています。

その他にも用途として、ペンケース、携帯電話ケース、スマホケース、カップホルダー、コースター、ブックカバーやノートカバーなどオフィスでも使用するような身の回り品。また、犬のリード、ソファ、時計バンド、産業機械部品(食品関連)、シザーケースなど様々な分野でも利用いただいています。

一方でユタ大学(米国)、早稲田大学理工学部などとの共同研究も実施されています。

 

 

生産現場の声

ラセッテーナチュラルは、全てのラセッテーシリーズの基本となるベース素材です。もちろん天然皮革の素上げ素材なのでキズやアザの跡、シミなどがありますが、二次加工や化粧を施していないところに非常に価値のある素材と考えています。

もちろん、黒など濃い色では若干の色移行は避けられません。薄い色は汚れやすかったり、濡れた箇所が少し変色してしまうこともあります。しかし天然皮革ならではの経年変化はあっても、合成素材と異なり経年劣化はしません。使う人に馴染み、使い方に沿ったエイジングをキチンとしてくれる。それがラセッテーナチュラルです。

WEB-SHOPでご注文を頂いた際の出荷時は、1枚のご注文に対しても数十枚からベストな1枚を選定してお届けします。それでも生きていた証でもあるキズは、どうしても数カ所入ります。一方で、経年変化による色の変色はお手元のサンプル帳の貼付け革自体も変化しますので、もしもご所望の色系統(例えばあまり濃すぎない方が良い、赤味に振れて欲しくないなど)がある場合は、ご注文時にコメントを記入いただき、同時に希望のカット見本を郵送して下さい。可能な範囲で近しいロット色より選んでご案内致します。ただし、染色ロットによる色違いは必ず発生しますので、2~3トーンの範囲でしたら特にラセッテーナチュラルの場合には当然の許容範囲と必ずご了承の上、ご注文ください。

 

素材展開の可能性・アレンジ性

ラセッテーナチュラルは、調色程度しか表面仕上げを施していないため、様々な二次加工が可能です。

また、ラセッテーレザーの特徴でもある引き裂き強度が通常の植物タンニンなめし革に比べて強い点から、漉き加工などにも対応できます。

・厚さは0.1mm単位で、最薄0.3mmまで使用実績があります

・パンチング加工も可能です

・エンボス(型押し)加工では、十分な型の効きと素晴らしいツヤが生まれます

・染料顔料での仕上げで、お好みの色展開や仕上げ加工も実現します

なお、二次加工に関しましては専門業者に直接お問い合わせください。ラセッテーホールセールにご来社時は当社でも漉きやエンボス加工等を承れますが、デザイン相談や業者紹介などはできませんので予めご了承ください。

オリジナルカラー対応

ドラム染色は1カラー100枚より承ります(最小ロット50枚、追加価格別途)

少量でのご使用の場合は、お取引の革卸商社にご相談ください。

 

素材のメンテナンス方法

ラセッテーナチュラルは、WAXを使用して保革をしようとすると濡れ色に色のトーンが大きく変色してしまいます。そのため、専用のラセッテーOILをご用意しておりますので、汚れ防止や保革にご使用ください。

製品となっての汚れや傷などの補修に関しましては、リペア業者に直接お問い合わせください。弊社では承っておりません。

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