商品名
ラセッテーエクストラ
ネーミングの由来
“エクストラ”は“格別・特別”を意味します。どうしても汚れやすく色落ちがする素上げ革のラセッテーナチュラルに対して、ひと手間を加えて透明な皮膜を塗布しながら自然な風合いのシボ立ちを再現しました。実はこのひと手間には数十年来培った特別な技術を応用しており、仕上げ工程だけでも5つの異なる作業を盛り込んだ贅沢な製法で出来ています。
特 徴
「透明な仕上がり」
硬度の異なる仕上げ剤の配合で強靭でありながら柔らかで透き通るような表面皮膜を施しました。高温のアイロンプレスにより仕上がり面に光沢を与え、より透明度の高い澄んだツヤ感を出しています。
「ソフトな風合い」
アイロンプレスによって硬化した表面層を揉み解し、豚革が持つ堅い表皮に柔軟性を与えてソフトな風合いを実現しました。角の立たない仕上げ面になっています。
「本革の肌合い(シボ立ち)」
豚革の表皮にアイロンプレスをすると固く引き締まってしまいますが、独自の製法で揉み解して従来持つ肌合い(シボ立ち、シワ)を生き返らせました。シュリンクし過ぎず、硬い面のままでもない、生きていた時の躍動感あふれる皮革特性を再現しています。
「汚れにくく、色落ちしにくい」
透明な仕上げ剤により、汚れにくく色落ちも最小限に留めることに成功しました。そもそもこの仕上方法は当社がビジネスシューズ用のライニング(裏革)を大量生産していた時の色止め技術の応用で、黒い革靴の内装で白靴下を履いても一度もクレームにならなかった実用実践的な製法を踏襲しています。
*使用状況や体質・汗のPHによっても大きく効果が異なりますので、実際の使用時には本革製品としての色落ち注意書きは必ず記載してください。色落ちを全くしないことを保証するものではありません。また製品になった際のクレームは、当社では一切関与せず責任も請け負いかねます。
開発者の想い
ラセッテーエクストラは、弊社が数十年来くつ用のライニング素材仕上げに施した技術を、ラセッテー用にアレンジしたオリジナル仕上げ製法により開発しました。仕上げ剤自体も上質な風合いと高い透明度を維持するために配合し、サラッとした感触を持たせることに成功しています。そして何よりも、ピッグスキンの強い吟面強度を損なうことなく柔らかな風合いに完成させたエクストラは、素材にこだわる多くのブランドに愛用されることと思います。
主な使用実績
靴・バッグ・財布等のライニング素材としては相当数使用いただいております。シボが出ていることにより、吟浮きと言われる表皮が連なって浮いてしまったような表情が出ないため、上質感のある商品作りに最適です。もちろん主素材としてバッグや財布類、椅子やソファの張地などにも使用いただいております。特にアメ豚調の革を要望されることが多く、その代用品としても人気のある素材です。
財布やパスケースなどで、表面はヌメの牛革、裏面の内装にラセッテーエクストラを使用することで実用性と製品の上質な雰囲気を演出するブランドも多数あります。
生産現場の声
何の変哲もない革ほど、実は多くの手間と時間を要します。決して奇抜さを狙わない、トレンドにも左右されない定番素材ですので、品質を保持し安定供給できるように、下地の選別や在庫数から始まり各工程管理、さらには肌合いの出方が1枚ずつ異なるため可能な限り均一化を図るための仕上がり管理と一度作業が始まると完成までは目が離せません。
基本的には、最終工程の一歩手前で在庫をして、ご注文のたびに最終仕上げを施すことがベストな工程と把握できていますので、ご注文いただいてから出荷までは検品時間を入れて4~5日を見ていただきたいです。
他社には決して作ることのできないノウハウと技術が詰まった特別な素材です。メンテナンスをしていただくことで長く愛用頂けますので、是非内装だけでなくメイン素材としてもご活用ください。
素材展開の可能性・アレンジ性
ラセッテーエクストラは、透明膜のみの表面仕上げのため、様々な二次加工が可能です。
また、ラセッテーレザーの特徴でもある引き裂き強度が通常の植物タンニンなめし革に比べて強い点から、漉き加工などにも対応できます。
・厚さは0.1mm単位で、最薄0.3mmまで使用実績があります
・パンチング加工も可能です
・エンボス(型押し)加工では、十分な型の効きと素晴らしいツヤが生まれます
・表面へのスプレー塗装・仕上げに関しましては、水分油分をはじく可能性があるため推奨しておりません。
なお、二次加工に関しましては専門業者に直接お問い合わせください。ラセッテーホールセールにご来社時は当社でも漉きやエンボス加工等を承れますが、デザイン相談や業者紹介などはできませんので予めご了承ください。
オリジナルカラー対応
ドラム染色は1カラー100枚より承ります(最小ロット50枚、追加価格別途)
少量でのご使用の場合は、お取引の革卸商社にご相談ください。
素材のメンテナンス方法
ラセッテーエクストラは、専用のラセッテーWAXを使用することで保革とツヤ感を保つことが可能です。ラセッテーOILは使用量によってはじいてしまうこともあるため、十分に注意して使用してください。製品となっての汚れや傷などの補修に関しましては、リペア業者に直接お問い合わせください。弊社では承っておりません。